たび【旅】
住んでいる所を離れて、よその土地を訪ねること。旅行。
「出典:デジタル大辞泉」




「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。」


芭蕉の生きた時代と今、旅の方法は大きく変わったかもしれないが、「旅に出たい」という気持ちは変わらない。
2013年春、沖縄の地を踏み、ようやく日本の47都道府県すべて訪れることができた。

日頃、鉄道の旅を楽しむ者として、次の目標は『JR全線乗りつぶし』!


しかし、2011年3月の震災によって、未乗であった三陸の路線が壊滅的な被害を受け、BRT転換や代行輸送となっている。『JR全線乗りつぶし』は当面達成できない目標となった。



もうひとつの目標、そして「夢」

それが、



いつか、『JR最長片道切符』の旅をすること。



最長片道切符とは…
JRの路線を利用して、「1番長い旅ができる切符」
※詳しくは次回


北海道のJR最北端の駅「稚内」をスタートして、九州佐賀県の「肥前山口」駅まで、同じ駅を2度通らないようにしながら、一筆書きで最も遠回りするルートを選びながら旅をしていく。


早く目的地につくことに意味がある現代において、最も非合理的な旅。お金も時間もかかる旅。
ただ、もしかすると時間がない現代人にとっては、どんな豪華列車の旅よりも贅沢な旅なのかもしれない。

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2013年7月。福岡県某神社。私は決断しようと決めていた。


この夏、『最長片道切符』を買うかどうか。


正直迷っていた。最長片道切符の旅を実行できる機会は今しかない。

これから先、新幹線の開業で最長片道切符のルートが大きく変化することが予想される。

災害によって大きな被害を受け、復旧の願いかなわず廃止になるローカル線も出てくるであろう。

東日本の震災で、海岸の路線は大きな被害を受け、現在でも切符自体が発券できない区間が存在する。もしかすると、復興によって現在のルートよりも旅することができる距離が伸びるかもしれない。

多くの時間とお金を使う旅。本当に今しかできないのか、今やる価値があるのか、もっとほかのことにお金と時間を捧げるべきではないのか、…


自問自答を繰り返しても、なかなか結論が出なかった。

今まで、旅立ちをこんなに悩むことはなかった。前日に旅程を組んで家を出たことも、数え切れないほどある。どこかに行きたいと一度思ったら、行かないと気が済まなかった。それだけ、この『最長片道切符の旅』は特別なものなのだろう。



最後の手段は…

神頼み


きちんとお参りを済ませて、「おみくじ」を引く。おみくじなんて何年ぶりだろう。。





「おみくじ:小吉  【旅立】目的を達成できない」





ついに、神様にも見放されたか…

私は、神社をあとにした。




「おみくじ」にもこんな無茶な旅やめたほうがいい…と言われている気がした。
でも、おみくじを引いて気がついたことがある。

それは…

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本心は、『最長片道切符の旅』をしたくてたまらないこと(笑)